「肌は内臓を映し出す鏡」という言葉があるように、内臓の不調のサインをいち早く教えてくれるのが「肌」なのです。自分の肌をよく観察し内臓に負担をかけ過ぎていることに気づくことは健康管理の第一歩です。
肌はこんな内臓の不調を教えてくれる
肝臓・腎臓の不調→肌荒れ・肌のむくみ
肝臓・腎臓は、アルコールなどの解毒処理、老廃物の処理をする役割があります。肝臓や腎臓が弱ると肌荒れ・肌のむくみとなって現れることがあります。
腸の不調(便秘)→肌のくすみ・肌荒れ・ニキビ
便秘は、食生活の乱れ、睡眠不足、ストレスによる腸内細菌のバランスが崩れることで生じます。排泄されない老廃物が毒素を発生させ全身を巡り血行を悪くさせ「肌のくすみ」につながります。さらにこの毒素の排出にエネルギーを使うため、皮膚本来のターンオーバー(代謝)や排泄機能が低下し「肌荒れ」を引き起こします。
体の不調が肌に現れたら無理のない範囲でライフスタイルや食生活の改善をしましょう。
可能ならば主食を白米から玄米に変えることをお勧めします。
玄米ってすごい
主食に玄米を食べている方はまだまだ少数派かもしれません。玄米とはもみ殻だけを取り除いたもので精製した白米よりも栄養素が豊富に含まれています。主食を白米から玄米に変えるだけ効率よく栄養素をとることができます。
玄米に含まれる代表的な栄養素
ビタミンB群
便秘になると合成が妨げられるのがビタミンB群です。玄米には美肌の強い味方であるビタミンB1が白米の8倍、ビタミンB2が白米の2倍、ビタミンB6が白米の10.5倍含まれています。
食物繊維
玄米には水溶性と不溶性の食物繊維が白米の4.7倍含まれています。これらは消化の過程で水分を含み膨張し腸の蠕動運動を活発にします。美肌の敵である便秘を解消して善玉菌を増やし腸内バランスが良くなります。
各種ミネラル
玄米にはマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが多く含まれています。肌のターンオーバーに欠かせない「亜鉛」も豊富に含まれており美肌効果が期待できます。(参照ブログ:亜鉛ってすごい)
白米と玄米の栄養素含有量
科学技術庁調査会編(五訂日本食品標準成分表)
メリットばかりと思われる玄米ですが、白米よりも消化吸収しづらいという弱点があります。玄米を食べやすくするには、玄米を少しだけ発芽させ*発芽玄米にするという方法があります。白米のようにもちもちになるだけでなく栄養価や甘味も増すのでおすすめです。
*発芽玄米の作り方
玄米を軽く洗い(白米のように一生懸命研がなくてもよい)大き目のボールなどに入れ30℃くらいの水を加え室温で1日から2日浸けておく。微生物の発生を防ぐため6時間おきに水を変える。玄米の1割程度に0.5mmの発芽が確認できたら炊飯器の玄米コースや圧力鍋などで炊く。
よく噛むことで消化・吸収をUP
玄米の消化吸収を良くしその栄養素をしっかりと取り入れるためには「よく噛む」ことが大切です。よく噛むことで満腹中枢が働き食べ過ぎを防ぐという効果も生まれます。
玄米食に切り替えた方の多くは、「便秘が解消した」「ダイエット効果があった」「肌がきれいになった」という実感を持たれるようです。白米に比べかかってしまう手間も時間も「健康美肌への道」と考えれば惜しくないのかもしれません。
この記事は薬剤師堀純朗氏が監修しています。