突然ですが、みなさんは奇跡の遺伝子を持つ「ポルタトーリ」の話を聞いたことがありますか。
ポルタトーリ(遺伝子を運ぶ者)と呼ばれるのは、イタリアのリモネ村に住む特殊な遺伝子を持つ人々です。300年ほど前にリモネ村に住むある男性の遺伝子に突然変異が起こり、普通の人よりもコレステロールの処理が早く動脈硬化にほとんどならない体質になったそうです。現在、この男性の血を引くリモネ村の約40人はこの体質を受け継いでいます。しかもその効果は高齢になるほど発揮されるのだとか。リモネ村のお年寄りは、毎日朝から豚のサラミを油につけた郷土料理をたっぷり食べるそうです。私たちからみれば「そんなにお肉ばかりでコレステロールは大丈夫?」と言いたくなるような食生活ですが、心配ご無用のようです。
どんなに好きなお肉を食べても血液サラサラ、動脈硬化になりにくい羨ましい遺伝子を持つポルタトーリ。DHAサプリメントとは一生縁が無さそうです。
これは特殊な例としても、人の体は一人ひとり違います。同じものを食べていれば、みんなが一斉に健康になるのではありません。例えば健康に良いといわれる玄米でも胃腸の弱い人には消化されにくく白米の方が合っている場合もあります。
肌や髪のケアにも同じことがいえます。評判の良い化粧水で肌がきれいになる人もいれば、配合成分の1つにアレルギー反応がでてかぶれてしまう人もいます。合成シャンプーから石けんシャンプーに変えて頭皮トラブルから解放される人もいれば、石けんシャンプーの弱アルカリ性が合わなくて弱酸性の合成シャンプーの方が問題なく使える人もいます。多くの専門家がすすめる最も頭皮にやさしいとされるアミノ酸系シャンプーでも、洗浄力が弱いゆえに汚れや皮脂が取りきれずべたべたして抜け毛が増えてしまう人もいます。
9月に入り肌や体に夏の疲れが現れてくる時期となりました。これに応えるべくテレビやSNSなどでさまざまな健康・スキンケア情報があふれていますが、これらの情報は自分の体の状態、肌の状態をよく理解して活用する必要があります。「周りの人がみんな使っているから」「テレビで良いと聞いたから」ではなく、自分の体の声に耳を澄ませて情報の取捨選択をすることが大切です。
このブログ記事は薬剤師、堀純朗氏が監修しています。