紫外線が急増する時期になると、シミやシワなどお肌への影響が気になりますね。
紫外線がもたらす老化現象を「光老化」(ひかりろうか)といいますが、意外にも見落としてしまいがちなのが、髪の光老化です。頭は人の体において最も太陽に近い部位であり、その頭部を守っている髪は必然的に紫外線のダメージを受けやすくなります。今回のブログでは、紫外線が髪や頭皮に与える影響と対策についてお伝えしていきたいと思います。
紫外線が髪と頭皮にもたらす影響
紫外線ダメージその1 キューティクル(髪の表面にある保護膜のような組織)が傷む
毛髪の一番外側にはタンパク質を主成分とした「キューティクル」といううろこ状の組織があり、髪を汚れから守り栄養素をキープしている。しかし、髪に紫外線が当たるとこの「キューティクル」が傷み剥がれやすくなる。
紫外線ダメージその2 コルテックス(髪の内部を形成する組織)が流出→切れ毛
キューティクルが傷むと、「コルテックス」という髪の潤いや強度を保つタンパク質が流れ出し、髪の強度がなくなってプチッと切れてしまう。
紫外線ダメージその3 コルテックスがむき出しになる→枝毛
さらに悪化してキューティクル自体が剥がれ落ちると、コルテックスがむき出しになり縦に裂けてしまう。
紫外線ダメージその4 変色
紫外線が毛髪のメラニン色素を分解し、髪が焼けたように赤茶色に変色してしまう。
紫外線ダメージその5 白髪
紫外線が、頭皮の色素幹細胞を壊し黒い髪が生成できなくなる。
紫外線ダメージその6 薄毛
紫外線が、頭皮の毛母細胞(髪の毛を作りだす細胞)の働きを衰えさせ髪が生えにくい状態になる。
さらに、頭皮のコラーゲン繊維にもダメージを与え潤いがなくなることによっても髪が生えにくい状態になる。
以上のように紫外線は髪と頭皮の両方にダメージを与え老化を進行させます。顔の3倍以上の紫外線を浴びると言われる髪には、顔以上にしっかりとした紫外線対策が必要なのです。
適切なヘアケアで紫外線から髪を守ろう
1 UVカットアイテムを上手に使う
屋外では、帽子や日傘を必ず使用する(色は紫外線を遮断するのに有効な黒がおすすめ)
紫外線防止効果のあるヘアケア製品(スプレータイプ)を使用する
2 頭皮の皮脂を取り過ぎないヘアケアを心がける
1日に何度も洗髪する、洗浄力の強いシャンプーを使っている、朝シャンが日課という方は要注意です。これらに共通するのは「頭皮の皮脂を取り過ぎてしまう」ということです。
皮脂が頭皮を紫外線から守る
頭皮は、汗や皮脂などが混じり合った「皮脂膜」で覆われています。そしてこの「皮脂膜」が頭皮の乾燥を防ぎ、紫外線や空気中の細菌などの外敵から頭皮を守る役割を果たしています。したがって過度の洗髪で皮脂を取り過ぎると紫外線の影響を受けやすくなってしまいます。
シャンプーは夜、1日1回までが理想
髪は夜に成長するといわれています。夜眠りにつく前に頭皮の汚れや余分な皮脂などを落とすことが、髪の健全な成長につながります。またシャンプーで落とした皮脂は、6時間で再生するため朝外出するころには頭皮は適度な皮脂で守られた状態になります。ところが朝に髪を洗うと皮脂のない無防備な状態で紫外線を浴びることになってしまいます。
自分に合ったシャンプーを使用する
シャンプー選びに「正解」はありません。人それぞれ体質が異なるからです。ただ現在お使いのシャンプーで、いくら洗ってもフケ・カユミ・乾燥・べたつきなど悩みを抱えているのならシャンプーを見直すことをお勧めします。余分な皮脂と汚れさえ落ちれば自ずと頭皮は元気になり紫外線の影響も受けにくくなるのです。ごくシンプルな成分で洗浄力の強すぎないシャンプーをお勧めします。イオンベール化粧品の過去のブログ「石鹸シャンプーのススメその1」にシャンプーの種類・特徴をまとめてありますのでシャンプー選びの参考にしてみてください。
以上紫外線が髪と頭皮に与えるダメージとその対策についてまとめました。肌も頭皮も同じ皮膚であり皮脂膜により紫外線ダメージから保護されています。必要な皮脂を守りながらできるだけ紫外線を浴びない工夫を継続することが若々しい髪を維持する秘訣です。
この記事は薬剤師の堀純朗氏が監修しています。