攻めの紫外線対策で光老化をくい止めよう

 

紫外線が強くなるこの時期、光老化(ひかりろうか)という言葉をあちこちで耳にします。
光老化とは、紫外線を浴びることによって生じる、シミ・シワ・タルミなどの肌の老化現象のことです。肌の老化の8がこの光老化によって起きるともいわれます。
手の甲や顔など日中紫外線にさらされている箇所と、お腹や太ももの内側などと見比べてみてください。お腹や太ももが色白でキメが整っているのに対して、顔や手の甲は肌が黒くシミやシワが気になる方が多いのではないでしょうか。その差がまさしく光老化によってもたらされた現象といえます。
ただ「光老化」は加齢による老化とは違い、生命力が衰えていくことはありません。そして本当の老化ではないので、防ぐこともくい止めることも出来るのです。
ではどのように光老化を防げば良いのでしょう。日傘や帽子、UVカット機能付きの洋服・メガネを利用して紫外線をできる限りカットする方法は既に多くの方が実践されていることと思います。今回はもう少し踏み込んだ攻めの紫外線対策を紹介したいと思います。

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光老化対策1

体の内側から光老化を防御する

強い紫外線を浴びると、その紫外線の悪影響から肌を守るために活性酸素が生成されます。活性酸素には、細菌やウイルスを殺菌したり細胞内の老廃物を処理する役割があります。しかし増えすぎた活性酸素は、正常な細胞まで攻撃し光老化を進行させてしまいます。そこで普段の食事に積極的に取り入れたいのが、下記の抗酸化食品です。

抗酸化物質     多く含まれる食べ物
ベータカロテン  ニンジン・トマト・ホウレンソウ・小松菜・かぼちゃ
ビタミンC    いちご・ ブリッコリー・小松菜・キャベツ・イモ類
ビタミンE    玄米・レバー・たまご・植物油(大豆油・ごま油・オリーブ油)
リコピン     トマト・オレンジ・ニンジン・パイナップル

最後のリコピンの抗酸化能力はベータカロテンの2だといわれています。これからはトマトがたくさん出回る季節ですので、トマトやナス、ピーマン、ズッキーニなどをオリーブ油で炒めるラタトゥイユをぜひお試しください。ラタトゥイユはそのまま食べても良いですし、ソテーした鶏肉やパスタのソースとしても使えます。また、ビタミンCとEは互いに協力しながら活性酸素を消去しますので一緒に摂るのがおすすめです。

rtラタトゥイユイメージ
オリーブ油で、ニンニク、たまねぎ、ナス、ピーマン、トマトなどを順番に炒め塩で味付けし、野菜から出る水分だけで20分程度煮る南仏料理。

光老化対策2

スキンケア化粧品で光老化を防御する

1 日焼け止め化粧品を正しく選ぶ
紫外線対策用の化粧品といえば「日焼け止め化粧品」がまず思い浮かびます。ただSPFやPA値が高いものを選べば良いというわけではありません。詳しく知ってご自分にあったものを選びましょう。

知っておきたい日焼け止め化粧品の成分のこと
日焼け止め化粧品の有効成分には、紫外線吸収剤と錯乱剤の2種類があります。

紫外線吸収剤 紫外線を吸収する化学物質のこと。肌に刺激になることがある。
紫外線錯乱剤 紫外線を肌の上で反射する物質のこと。酸化亜鉛、酸化チタンが代表的。化学変化は起こさないので肌にやさしいが粉っぽくなるのが弱点。

SPFやPAの数値ってどういう意味があるの?
SPF(Sun protection Factor) 紫外線B波(UVB)をカットする力を示す。たとえばSPF2ならサンバーン(肌が赤くなること)が始まるまでの時間を、何も塗らない時と比べて2倍に延ばせることができる。

PA(Protection Grade of UVA)紫外線A波をカットする力のこと。+から++++の4段階で表示される。

肌への負担を考えると、できるだけ紫外線吸収剤を含まない日焼け止め化粧品(紫外線吸収剤不使用もしくは紫外線錯乱剤配合と表示のもの)をおすすめします。またSPF値やPA値が高いもの(SPF50 PA++++)は海や山へ行くときにだけ使用し、日常使いにはSPF20 PA++程度のものを使用するなどの使い分けが必要です。

また日焼け止め化粧品は、SPF値のみで選びがちですが「光老化」にはPA値の方がより多く関係しています。紫外線A波は皮膚の真皮まで到達し光老化を進行させるからです。

2 パウダーファンデーションを利用する
パウダーファンデーションの粉は、紫外線錯乱剤と似たような成分でできています。外出の予定がない日でも、日焼け止め化粧品の上からパウダーファンデーションを重ねると日焼け止め効果がUPします。

3 化粧水や美容液は保湿成分が含まれたものを選ぶ
元々私たちの肌には、紫外線の影響から身をまもるバリア機能が備わっています。ところが肌が乾燥し天然保湿因子や水分が不足するとこのバリア機能が低下してしまうのです。化粧水や美容液は、水分、保湿成分、油分が適切に配合されたものを選び保湿機能を補強してあげましょう。

イオンベール化粧品では、天然保湿因子の成分でコラーゲンの主成分でもあるアミノ酸(グリシン・プロリン)を配合した「イオンベール化粧水」を取り扱っています。紫外線対策だけではなく乾燥肌対策としてもぜひお役立ていただければと思います。

以上攻めの紫外線対策をご紹介しました。食品にせよ化粧品にせよ比較的手に入りやすいものばかりですので、将来の健康美肌への投資だと思ってぜひ取り入れてみてください。

この記事は薬剤師:堀純朗さんが監修しています。